ゴマフアザラシ出産話②
2023.07.16 [スタッフブログ]前回は、「メイ」が出産したところまで書きました。
今回は、産まれてきた仔についてです。
2023年5月9日、午前1時。
真夜中にオスのゴマフアザラシが誕生しました。
しかし、産まれてから活発に動く様子はありません。心配になった飼育員は、急いで仔の元へ駆けつけました。
仔のそばに行こうとすると「メイ」が大きな鳴き声を出し、威嚇してきます。
「メイ」の攻撃を避けつつ、仔の様子を確認し、呼吸していることを確かめました。
一安心です。
あとは、「メイ」が授乳の姿勢を取り、仔が飲むところを確認すれば観察は終了します。
しかし、日が昇っても仔が「メイ」の乳首を吸う所は確認できませんでした。
仔と「メイ」の位置が悪いのか?
そう考えた飼育員は仔の位置を動かしました。それでも、「メイ」が授乳の姿勢をとるだけで仔は動きませんでした。
私たちは、見守ることしかできません。
仔を気にするメイ
しかし、時間だけが過ぎ仔の栄養状態も心配になります。
そろそろ決断しなければなりません。
「人工哺育」を行うのか?
いつから開始するのか?
飼育員で検討した結果、今回は「人工哺育」を選択しました。
まず始めに、仔をバックヤードへ移動させました。
その時もメイはとても威嚇してきます。
バックヤードに来た直後の仔
その後、健康状態の確認を行いました。
獣医師による診察 まだへその緒が付いている
診察をした獣医師からは、「特に異常はないと思います。様子を見ましょう。」と言われました。
この言葉を聞いて少しほっとした気持ちになったのを覚えています。
そして、ここから約3か月に及ぶ人工哺育がスタートしました!
人工哺育編に続く。
〈お知らせ〉
浅虫水族館はおかげさまで開館40周年を迎えることが出来ました。
そして、来る7月23日は当館の開館記念日です。
皆様のご来館、お待ちしております!!