ゴマフアザラシ出産話③
2023.07.22 [スタッフブログ]前回は、人工哺育を選択したところまでお話ししました。
当館では、2018年に誕生した「かぶと」も人工哺育で育てましたが、
今回も予め人工哺育になった時をシミュレーションしていました。
人工哺育には必要なものを揃える準備が重要になります。
その一つが「ミルク」です。
母乳の代わりとなり、幼獣の初期の栄養を補えるようにしなければなりません。
今回、使用したミルクはこちらの「海獣用ミルク」です。
脂質を多く必要とする、海獣向けに作られた製品です。
しかし、これだけでは足りないため油分を添加します。
ここで使うのが、こちらの「サーモンオイル」です。
アザラシは、厚い脂肪で寒さから身を守ります。
そのために多くの脂質を必要とします。
毎朝体重を測定し、その日に必要なエネルギー分のミルクを調製しました。
ミルクが用意できても、人間のようにゴクゴクと口を開けて飲んではくれません。
哺乳瓶でも挑戦しましたが、口を開けず、吸うこともありませんでした。
そのため、カテーテルを胃まで挿入し、哺乳することにしました。
初めは、カテーテルを上手に挿入するのに苦戦しましたが、徐々に赤ちゃんも飼育員も慣れ、スムーズに哺乳が行えるようになりました。
途中からは魚のミンチをミルクに混ぜました。
そして、体重は日々増加して20㎏まで成長し、2023年6月ミルクを卒業する時が来ました。
『ついに、ミルク卒業!離乳訓練&展示プールデビュー』へ続く!
〈お知らせ①〉
本日(22日)よりゴマフアザラシの幼獣が展示プールデビューしました☆☆
展示プールを泳ぐゴマフアザラシの幼獣
〈お知らせ②〉
2023年、浅虫水族館は開館40周年を迎えることが出来ました。
7月23日は、当館の開館記念日です!
23日11時10分からは、イルカプールにて40周年をお祝いするセレモニーも行います!!
また、セレモニー内では、ゴマフアザラシの幼獣とゼニガタアザラシの幼獣の命名式を行います!
ゼニガタアザラシの幼獣
その他、40周年に関連するイベントも実施します!!
詳しくは、40周年特設ページをご覧ください。
皆様のご来館、心よりお待ちしております!